イタリアワインの評価本「ルカ マローニ」でこれまでに9度トップ生産者に選出
南イタリアで成功を収めた実力派生産者
国 | イタリア |
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地域 | アブルッツォ |
歴史 | 1994年 カミッロ デ ユリウス、ヴァレンティーノ ショッティ、フィリッポ バッカラーロの3名で設立 |
オーナー | ヴァレンティーノ ショッティ : 社長 フィリッポ バッカラーロ : エノロゴ。ファルネーゼグループすべてを統括するスーパーバイザー的存在。 デニス ヴェルデッキア : フィリッポに次ぐスーパーバイザー。
リーノ サンテウザーニオ : ファンティーニラインを生産するアブルッツォ常駐のエノロゴ。 フランチェスコ デ サンティス : アブルッツォ担当のエノロゴ。日本市場向けのボトリングも行う。
アルベルト アントニーニ : コンサルタント。世界的に知られる大きなワイナリーのコンサルタントを務めた経験がある一方、いわゆるブティック ワイナリーのような小規模ワイナリーでも数多くのアドバイスも行っており、ワイン造りに関する豊富な知識を持っている。 |
葡萄園 | 150ha + 契約面積450ha 300軒の農家と契約。1軒当たり2ha以下。 |
栽培 | グループのワインは、基本的にオーガニックの認証を得られるような方法で栽培。認証を得ているものは、一部のみ。 |
<情報リンク>
ファンティーニグループ 詳細ページ
3人の情熱からスタートしたワイナリー
ファンティーニ(当時はファルネーゼ)創立者のひとりカミッロ デ ユリウスは、若くしてイギリスに渡り3軒のレストランを経営、ワインの輸入もしていました。イギリスで成功を収めたカミッロですが、「いつかアブルッツォへ戻り、生まれ故郷に貢献できたら」という思いを常に持っていました。そして1994年、ついにアブルッツォに帰郷しました。同じ頃、ヴァレンティーノ ショッティとフィリッポ バッカラーロはアブルッツォのワイナリーで働いていましたが、もっとハイレベルのワインを造りたいと考えていました。そして、情熱を持った3人が出会い、ファンティーニを設立しました。「設立当初はお金もなく、エントリーレベルのワインしか造れませんでした。しかし、いいワインを造りたいという情熱だけはありました」とヴァレンティーノは語ります。その頃、世界的に著名なワイン評論家のロバート パーカー Jr.が彼らのワインを飲んで感激し、「車に積めるだけ買いたい」という記事を書いたことで、ワイナリーの名が少しずつ知られるようになりました。そのワインが、エントリーレベルのモンテプルチャーノ ダブルッツォ(I-056)でした。
「エディツィオーネ」の誕生、そしてイタリア最優秀生産者へ
エントリーレベルのワインしか造っていなかった1995年、イギリスの有名なワイン評論家ヒュー ジョンソンからのアドバイスで「土着品種を使って造るイタリア最高のワイン」の生産に乗り出します。4年の月日をかけて最高の畑をリサーチし、何度も試行錯誤を重ねた結果、ついに2001年の6月に最初のブレンドが出来ました。それが、いまやワイナリーのフラッグシップワインとなった「エディツィオーネ」でした。その後、「エディツィオーネ」がシドニーのワインコンペティションでベストワインに選ばれたことで、世界中からオファーが殺到し、ワイナリーの名が世界に知られるようになりました。そして遂に、「ルカ マローニ ベストワイン年鑑2005」でイタリア最優秀生産者に選出されるという快挙を達成しました。
ファルネーゼから「ファンティーニ」へ、名前とロゴを刷新し再スタートを切る
1994年の設立から僅か10年足らずの短期間でイタリアのトップ生産者の地位を築いたファンティーニは、その後も意欲的な投資を繰り返し、南イタリア各地から様々なワインを世に放ち、国際的な評価を確立しました。特に、イタリアワインの評価本「ルカ マローニ ベストワイン年鑑」においては、これまで年間最優秀生産者に9度も選出されています。2022年は「フランクフルト インターナショナル ワイン トロフィー」や「ムンドゥス ヴィーニ」といった国際的なコンペティションでも『BEST ITALIAN PRODUCER』に選出されており、これまで以上に国際的にも高い評価を得ています。
また、ここ数年の間にトスカーナやサルデーニャでもワイン造りをスタートし、現在7つの州でワイン造りを行う、南イタリアで最も成功したワイン生産者となりました。さらに、「ファルネーゼ グループ」から「ファンティーニ グループ」へと名称を変更し、さらなる躍進を図っています。
素晴しい畑を持つ小規模農家と密接な関係を築いているからこそ実現できる、高品質なワイン
多くの生産者は広い畑を購入して、自分達で畑を管理し、ワイン造りを行うことが良いワインを造るための方法だと考えます。しかし、ファンティーニは他とは違ったやり方を選択し、高い品質を実現しています。自社で広大な畑を購入するかわりに、素晴らしい畑を持つ小さな栽培農家と契約し、彼らが先祖代々受け継いでいる畑で葡萄を栽培してもらいます。「ワインを造るためには、素晴しい畑や葡萄は最も重要です。栽培農家の知恵や経験は、まさにファンティーニが必要としているものであり、葡萄栽培は畑を良く知る人達に任せることで品質の高い葡萄を得ることが可能なのです」とヴァレンティーノ ショッティは語ります。そして、量ではなく、区画に対して満足のいく賃金を払い、高い品質の葡萄を育ててもらいます。
ワインの品質を支える、素晴しい才能を持つ醸造家たち
「素晴らしいワインを造るために最も重要なことは、素晴らしい葡萄があることです。しかし、それだけでは十分ではありません。素晴らしい葡萄を素晴らしいワインにするには、葡萄の収穫からできるだけ時間をかけずに醸造を始め、葡萄が適切に扱われるがことが大切です。そのためには、素晴らしい醸造家たちのチームが必要なのです」とヴァレンティーノは語ります。通常では、大きな醸造所であっても、1名か2名、多くても3名ほどの醸造家しかいないことが多いのですが、ファンティーニ グループでは総勢13名の醸造家でワイン造りを行っています。各ワイナリーには専任のワイメーカーがおり、すべての工程を常に細かく管理しています。そして、ワイナリーの創設者の一人フィリッポ バッカラーロと世界的に活躍しているアルベルト アントニーニの2人がスーパーバイザーとして全体を統括しています。ファンティーニ グループは、規模で言えば、大きなワイナリーのうちに入るかもしれませんが、ワイン造りに対してはブティック ワイナリーと同等の力を注いでいると言えます。
「土地ごとの個性と共通のスタイルを持つ、ファンティーニ グループ」
トスカーナのテヌーテ ロセッティ、カンパーニャのヴェゼーヴォ、プーリアのヴィニエティ デル サレント、バジリカータのヴィニエティ デル ヴルトゥーレ、シチリアのザブ、サルデーニャのアッツェイをグループ傘下に収め、フィリッポ バッカラーロを軸に、技術や情報を共有して、素晴らしいワインを造っています。
<評価>
辛口評価で知られる「ルカ マローニ ベストワイン年鑑」にて2005、2006、2007年度版と3年連続、また2012、2013、2015、2016、2017、2019年度版でも、2,500以上の生産者の中からイタリアのナンバーワンに選ばれています
〈創始者の3人〉(2002年訪問時)
左からフィリッポ バッカラーロ、カミッロ デ ユリウス、ヴァレンティーノ ショッティ。
<若い世代>2018年訪問時
左から、デニス ヴェルデッキア、リーノ サンテウザーニオ、フランチェスコ デ サンティス。