熟成できるワイン造りがモットー
土着品種で熟成出来るプーリアワイン
国 | イタリア |
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地域 | プーリア |
歴史 | 1870年 ノエ アポロニオが設立 1920年 2代目マルチェッロが引き継ぎ、葡萄畑を買い足す 1960年 3代目サルヴァトーレが引き継ぐ 1975年 自社ブランドで瓶詰をスタート 1995年 4代目のマルチェッロとマッシミリアーノは引き継ぎ、世界中へ輸出を開始 |
オーナー | マルチェッロ アポロニオ(1964年生) マッシミリアーノ アポロニオ(1971年生) 南イタリア エノロゴ協会の会長も務める。
エノログ:マルコ プリオーリ アグロノミスト:パンクラッチオ、エリオ リッツォ |
葡萄園 | 自家畑:50ha(コペルティーノ、スクインツァーノ、その他) 契約畑:80ha契約農家からの買い取り葡萄 |
栽培 | 乾燥した気候のため、農薬は雨の多い年だけ使用 |
<情報リンク>
イタリア歴史認定協会に認定されているワイナリー
ロッカ デイ モリは1870年に設立されました。実際に1870年に設立されたという記録が残されており、イタリア歴史認定協会(Unione Imprese storiche Italiane)によってその歴史が正式に認められています。イタリアのワイナリーの中でこのように正式な歴史認定を受けているのはロッカ デイ モリの他、数十軒の生産者にすぎません。現在は4代目のマルチェッロとマッシミリアーノ兄弟によって運営されている家族経営のワイナリーです。
ロッカ デイ モリでは、プーリアの土着品種(プリミティーヴォ、ネグロアマーロ、マルヴァジア ネーラなど)を主体にワイン造りを行っています。そして、それらの葡萄を「アルベレッロ プリエーゼ(Alberello Pugliese)」という伝統的な仕立て方法で栽培します。また、ロッカ デイ モリのワインは毎年造られているわけではありません。品質の良い年にだけ「ロッカ デイ モリ」として瓶詰めします。納得のいかない品質のヴィンテージは格下げをし、別のラベルでリリースします。
アルベレッロ プリエーゼの特徴
「アルベレッロ プリエーゼ」という仕立ての特徴は、葡萄の葉が生い茂っているため、葡萄の房に直射日光が当たるのを防いでくれるという点です。そのかわり、地面からの日光の反射によって、葡萄はゆっくりと成熟します。プーリアの日中は非常に気温が高いため、収穫は暑さを避けて夜間に行います。すべて手摘み、よい葡萄だけを選別しながら行います。アルベレッロ プリエーゼ仕立ての場合、収量は非常に低くなりますが、品質のよい葡萄を得ることが出来ます。一般的な仕立て(スパリエーラ、グイヨ等)の場合、1ha当たり15,000kgから20,000kgの収穫量のところ、アルベレッロ プリエーゼの場合は1haあたり、僅か5,000kg(通常の3分の1から4分の1)という低さです。また、アルベレッロ プリエーゼはワイン造りの面での重要性の他に、その希少性、葡萄畑の景観の美しさから、現在、ユネスコの世界遺産に申請されています。
伝統的な造り(発酵、熟成)
ロッカ デイ モリは流行を追うのではなく、伝統的なワイン造りを今も引き継いで行っています。「伝統的」とは、例えば、発酵を12,500Lのスラヴォニア産の大樽で行う点です。また、醸しは、通常ですと平均7日間で行いますが、ロッカ デイ モリでは30~45日間と非常に長く行っている点です。そして、熟成はバリックで6ヶ月~24ヶ月(ワインによって熟成期間は異なる)行います。その後、ブレンドして5,500Lの大樽でさらに数ヶ月寝かせ、ワインを落ち着かせます。ボトリングの際は、清澄せず、フィルターもかけません。つまり、ワインは限りなく自然な状態で瓶詰めされ、さらに最低でも6ヶ月瓶熟を行います。
ボトルでの長期熟成を想定した造り、コルクにもこだわる
ロッカ デイ モリではボトルでの長い熟成を想定しているため、最高品質のコルクを使用しています。このコルクは通常のものよりも5倍の値段がするものです。長期熟成が出来るワインであること、そして品質の高いコルクのおかげで、ロッカ デイ モリのセラーには1938年のワインが残っています。その他にも家族の生まれ年や記念の年のワインをセラーでキープしています。
<兄弟2人で成長してきた>2009年訪問時
1995年、父サルヴァトーレが亡くなり、マルチェロとマッシミリアーノの兄弟がワイナリーを引き継ぎました。マッシミリアーノは当時24歳。アポロニオを支えるエノロゴにならなければなりませんでした。
彼は小さいころ、誰からも将来のことを言われずに育ちましたが、自然とエノロゴになりました。父の生前、マッシミリアーノはピエモンテやヴェネトで研修を受けており、兄は経営を勉強していました。父が伝授してくれたことは、良い品質のワインを造るためには為には、まず良いブドウを育てることです。その後父がなくなってからは誰にも習わず、ほぼ独学でワイン造りをしてきました。
父の代はドイツ、スイス、そしてイタリア国内に販売していましたが、95年から兄弟2人でアメリカとイギリスの市場を開拓していきました。
<来日セミナーレポート>
良年だけに造られるロッカ デイ モリのワイン造りと熟成可能なプーリアワインについて迫った、貴重なセミナーレポートです。
※価格・ヴィンテージ・在庫は2018年2月時点のものです。