マルケ州で成功を収めたトップ生産者ヴェレノージが
アブルッツォ州でもワイン造りをスタート
国 | イタリア |
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地域 | アブルッツォ |
歴史 | 2016年 アブルッツォ北部のテラーモのコントログエッラに16haの畑とセラーを購入 ワイナリーを設立 |
オーナー | アンジェラ |
葡萄園 | 16ha すべて自家畑 |
栽培 | 栽培はオーガニックなアプローチを実践。畑の肥料は自然のコンポストを使用。病害への対策は、オーガニックで認められている銅と硫黄だけを使用。 殺虫剤は使用せず、フェロモンカプセル、益虫を利用するなど、様々な対策を組み合わせて害虫対策を実践するIPM(Integrated Pest Management=総合防除)を行う。 |
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マルケのトップ生産者ヴェレノージが2016年に設立
2016年、ヴェレノージはアブルッツォ北部のテラーモのコントログエッラに16haの畑とセラーを購入し、新たにワイン造りをスタートしました。ファーストリリースは2017年です。コントログエッラは、ヴェレノージの本拠地アスコリ ピチェーノからは車で25分と近い場所にあります。そのため、この新しいアブルッツォのシリーズはラテン語で「近い」という意味を持つ「PROPE(プローペ)」と名付けられています。またテラーモはオーナーのアンジェラの生まれ故郷であり、ヴェレノージにとっては新しいプロジェクトですが、アンジェラにとっては自身のルーツに戻る、といった意味もあります。「プローペ」のコンセプトは「フレッシュでスムーズ、そしてモダンな味わい」であることです。ラインナップは白2種類、ロゼ1種類、赤2種類の5アイテムです。
葡萄畑
16haある畑はすべて自家畑、葡萄の平均樹齢は20年です。アブルッツォの畑は、ヴェレノージの拠点であるマルケのアスコリ ピチェーノから距離が近いため、マルケと同じスタッフがアブルッツォの畑の仕事も行っています。栽培、醸造に関してはヴェレノージがマルケでのワイン造りで長年培った知識、経験をアブルッツォでも活かしています
土壌・栽培
栽培するのは赤とロゼ(チェラズオーロ)用のモンテプルチャーノ、そして白ワイン用のトレッビアーノ、ペコリーノです。ヴェレノージが所有している畑の土壌は、シルト50%、粘土40%、小さな石を含む砂利10%、で構成されています。粘土があると葡萄の根は水分ストレスにさらされますが、そのおかげで骨格のあるワインが出来る葡萄が育ちます。しかし、すべてが粘土ではなく、シルトと砂利があるので、水分ストレスが過剰になることはありません。シルトのおかげでワインにフレッシュさがもたらされ、10%の砂利質がエレガントさを与えています。
畑の標高は250~300m、日当たりの良い南南東向きです。東側はアドリア海の影響を大きく受け、西側は標高の高いアペニン山脈によって守られています。高い山があることで、冬は雪が降るほど寒くなります。夏は37度を超える日があり、非常に暑くなりますが、夜になると海からの冷たい風が吹き、気温が急激に下がります。昼夜の気温差があることで、葡萄は豊かなアロマを蓄えることが出来ます。
畝と畝の間には草や花をカヴァークロップとして生やしています。こうすることで土に窒素が自然に供給されます。また畝の先端にはバラの木を植えています。バラは益虫を引き寄せ、葡萄を傷付ける害虫を退治しています。さらにバラは土壌の栄養分が不足したり、病気が発生したりする際に、最初に影響を受けるため、畑のアラームのような役割を果たします。
醸造については、マルケ州のワイン同様、アッティリオ パーリのコンサルティングを受けています。また、ヴェレノージの主任エノロゴのフィリッポ カルリが指示を出していますが、現地には、アブルッツォ在住のアシスタントのエノロゴが常駐し、日常的な管理を担当しています。