
「厳しい畑仕事をして、素晴らしい葡萄が得られている。
だから醸造で何も加えたくないし、その必要もない」 ― ダヴィド ビアンフェ
国 | フランス |
---|---|
地域 | ブルゴーニュ |
<情報リンク>
ダヴィド ビアンフェはマコンのダヴァイエにある醸造学校を卒業した後、2009年にマコンのビュシエール村に自身のドメーヌを設立しました。現在、シャルネイ、ダヴァイエ、ヴェルジッソンに合計で約6.75ha(マコン ヴィラージュ、マコン ビュシエールに3.2ha、サン ヴェランに0.45ha、プイイ フュイッセに2.5ha、プイイ フュイッセ プルミエ クリュに0.6ha)の葡萄畑を所有しています。
優れた品質の葡萄を手に入れるため、きめ細かな畑仕事に力を入れています。環境を守り、土地の特徴を最大限に表現するために、畑をよく観察し、理にかなった方法で畑の管理を行っています。畑の畝の間には草を生やし、土を耕し、土中の微生物の活動が活性化するよう努めています。また、畑に使う農薬は最小限に留めています。完熟した状態で葡萄を収穫した後、丁寧に葡萄を圧搾します。アルコール発酵はタンクと樽で行います。発酵期間は長く取ります。温度は16度~18度にコントロールし、葡萄の持つアロマとフィネスを保つようにしています。熟成期間中は、ヴィンテージに応じて、定期的なバトナージュを行い、ワインにリッチさとボリュームを与えています。
完成したワインはタンク、または樽でブレンドし、軽くフィルターをかけてからボトリングします。「テロワールそのものを表現したいので、アルコール発酵、マロラクティック発酵、どちらも何も添加しない。何も加えず、自然に発酵が起きるようにしている。厳しい畑仕事をして、素晴らしい葡萄が得られている。だから醸造で何かを加えたくないし、その必要もない」とダヴィドは話していました。
ダヴィドのワインは、フランスワインの評価本「ル ギド アシェット デ ヴァン(アシェットガイド)」において好評を得ており、2015年版~2020年版まで6年連続で掲載されています。その中でも、プイイ フュイッセ ヴィエイユ ヴィーニュは2017ヴィンテージが2星を獲得するなど生産者のフラッグシップワインとなっています。その他にも、プイイ フュイッセ レ クレイやマコン ヴィラージュも何度も掲載されています。また、過去に「ラ ルヴュ デュ ヴァン ド フランス」でも、プイイ フュイッセ レ クレイ、サン ヴェラン クロ デ ポンセティの2アイテムが好評を得ており、フランス国内においても、彼のワインが認められていることがうかがえます。
プイイ フュイッセ プルミエ クリュ レ クレイ(Les Crays)
「ヴェルジッソンの奇岩」の下、急斜面に位置する畑です。この地域において最も景観の良い場所としても知られており、天気が良ければモンブランを眺めることができるそうです。粘土の他に、ヴェルジッソンの奇岩に由来する石灰岩が豊富に含まれる土壌で、標高は約380m、南向きの素晴らしい区画です。実際に見学すると、寒いくらいに風が強く吹いており、「畑仕事が大変」というダヴィドの言葉にも納得できました。植え替えを行なっているため、樹齢は10年や50年と様々です。プイイ フュイッセでは2020VTから22のプルミエ クリュが認定されていますが、この畑を見ると、なぜ今までプルミエ クリュが無かったのかと不思議になるほどでした。これほどの厳しい環境で育まれた葡萄が、ただの白ワインになるはずはない、そう確信する現地視察になりました。
レ クレイの畑からヴェルジッソンを見下ろす景色。下に見える畑はプイイ フュイッセ ヴィエイユ ヴィーニュの畑で、上に見えるのはソリュトレの奇岩です。
サン ヴェランの銘醸畑「クロ デ ポンセティ(Clos des Poncetys)」
こちらはクロ デ ポンセティの畑です。2019年に植樹した若い区画で、土壌は粘土と石灰岩質、南西向きで日当たりが良く、すべてオーガニックで栽培されています。プイイ フュイッセ プルミエ クリュ レ クレイがあるヴェルジッソン村から近い場所にありますが、ヴェルジッソン村ではなくダヴァイエ村にあり、アペラシオンはサン ヴェランとなります。ダヴィド ビアンフェが所有する畑の中でも最も小さく、この区画はわずか0.16haしかありません。
ダヴィド ビアンフェの本拠地、マコン ビュシエールの畑
ヴェルジッソン村とダヴァイエ村の畑を見学した後、北のビュシエール村へと向かいました。ダヴィド ビアンフェのワイナリー近くに車を停めて、ダヴィドの後をついていくと、木の枝で入口が隠されたあぜ道へと案内されました。一見しただけではこれが畑への道だとはまったく分からないような場所でしたが、その先に広がる美しい葡萄畑に再び感動させられました。こちらの畑の葡萄は1990年に植えられており、樹齢は34年です。土壌は粘土石灰岩質で、貝の化石も見受けられます。急斜面に位置していて、雨が多いことから、土壌流出を防ぐために一列おきに草を生やしていました。
ワイナリー
畑を見学した後、ワイナリーを訪問しました。かなりの部分を自ら建設したそうです。「外観の美しさよりも実用性を重視した」とダヴィドは話します。収穫した葡萄の受け入れとプレスは屋外スペースで行い、その後セラーに移します。まさに個人生産者のワイナリーといった趣で、少量の樽やタンクが室内に詰め込まれています。
アルコール発酵には野生酵母を使用しており、マロラクティック発酵の際も何も添加せず、自然に発生するのを待ちます。ダヴィドはその理由を、「テロワールそのものを表現したいから」だと説明してくれました。また、SO2はマロラクティック発酵の後と、ボトリング時に少量のみ使用しています。
ほとんどすべてのワインは一部を樽で熟成させています。新樽比率は、プイイ フュイッセとプイイ フュイッセ プルミエ クリュは20%、マコン ビュシエールは10%、サン ヴェランは5%と様々です。また、1年樽、3年樽、4年樽、7年樽というようにそれぞれ年代が異なる樽のワインをブレンドしているのも特徴的です。例えば、プルミエ クリュのレ クレイの場合、新樽20%、1年樽20%、2年樽20%で、残りの40%が3~5年樽となっています。熟成後、軽くフィルターを通してからボトリングします。
2階のテイスティングルームには壁がなく、美しい景色を眺めることができます。