生産者情報

シャトー ロシェ コルバン

オーガニック栽培 × 粒単位での葡萄の選別

ピュアなフルーツの味わいが楽しめるボルドーワイン

シャトー ロシェ コルバン
シャトー ロシェ コルバン
シャトー ロシェ コルバン
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シャトー ロシェ コルバン
シャトー ロシェ コルバン
シャトー ロシェ コルバン

生産者情報

フランス
地域 ボルドー
歴史

1880年 シャルル デュラン(フィリップの曾祖父)が所有者となる

 

1986年 フィリップ デュラン(4代目)がシャトーを引き継ぐ

オーナー

フィリップ デュラン(4代目)

葡萄園

10.5ha 栽培する葡萄の約85%がメルロ、15%がカベルネ フラン  

    2019年からマルベックの栽培もスタート

栽培

10年以上前からオーガニック栽培を実践。2020年に認証を取得。

畑には化学肥料、除草剤は一切使用しない

<情報リンク>

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自然環境を尊重しながら品質向上に努める

シャトー ロシェ コルバンはモンターニュ サンテミリオンの中心に位置するワイナリーです。現在は4代目のフィリップ デュランがオーナーを務めています。10年以上前からオーガニック栽培を実践しており、2020年に認証を取得しました。畑には化学肥料、除草剤は一切使用しません。また、ワインの醸造はSO2無添加で行います。葡萄畑はかつて、シャトー コルバン(サンテミリオン グラン クリュ)の所有地でしたが、1880年にフィリップの曾祖父、シャルル デュランの所有となりました。それから父から子へと4世代にわたり、ワイン造りとその情熱が受け継がれてきました。1986年にフィリップがシャトーを引き継ぎ、自然環境を尊重しながら近代化を図り、さらなる品質向上のために力を注いでいます。

 

丁寧な畑仕事が高品質な葡萄を育てる

フィリップは自然と完全に調和した畑から偉大なワインが生まれると考えています。「私たちにとって、葡萄を育てること、ワインを造ることは、毎年のシーズンと葡萄とのリズム、調和を物語るものです。テロワールを熟知し、品種の特性をよく理解し、ブドウの生育、醸造に関する深い知識を身に着けてこそ素晴らしい仕事を成し遂げることができる」とその哲学を語っています。葡萄の剪定はギヨー ドゥーブルで、摘芽を行い、生産量を調整し、風通しをよくします。「剪定の際に重要なのは、主幹が正しい形を保っているか(横に傾いていないか、高く伸びすぎていないか、など)を見極めることです」とフィリップは言います。注意深く剪定を行い、収量を制限し、より集約した葡萄を得られるようにしています。そのほかに、除草剤を使用するかわりに土を耕す、病害の対策はオーガニック栽培で認可されている硫黄と銅(ボルドー液)のみを使用するなど、畑仕事を丁寧に行なっています。また、収穫については、葡萄が完璧に成熟した状態で手摘みし、その際は葡萄を傷つけないよう小型のケースを使用しています。手摘みにすることで、畑で葡萄を選別することが可能となります。また、セラーでは選果テーブルを使用して葡萄をさらに選別し、除梗の後にも粒単位で選別を行うなど、合計3回もの選別作業を経て、完璧な葡萄のみを使用してワイン造りを行なっています。

 

粘土石灰質土壌で非常に日当たりが良く、水はけの良い斜面という葡萄栽培に理想的な条件の畑

ロシェ コルバンの10.5haの畑は、テルトル ド カロンと呼ばれる小高い丘の西側の斜面に広がっています。粘土石灰質土壌で非常に日当たりが良く、水はけの良い斜面という葡萄栽培に理想的な条件に恵まれています。メルロとカベルネ フランの他、ワインにより豊かな果実味を与えるために、2019年からマルベックの栽培も始めました。品質の高い葡萄を得るため、収量を厳しく制限し(45hL/ha)、病害対策には銅と硫黄のみを使用します。栽培する葡萄の約85%がメルロ、15%がカベルネ フランで、平均樹齢は45年です。15%は樹齢70年以上の古木で、最も古い区画はなんと樹齢140年のメルロを含んでいます。この畑は、曾祖父の代から5世代にわたって受け継がれてきたもので、葡萄はフィロキセラ禍の直後に植樹されました。

 

偉大なワインは土壌から生まれると考えています

「かれこれ30年間、除草剤は一切使用していません。そのかわりに畝の間の土を耕します。地中の生き物の生態系を変えないように、土をあまり深く掘り返さないよう心掛けています。また、畝の間には草を生やしています。ソラマメなどのマメ科の植物をカヴァークロップとして植えています。葡萄の木や実よりも先に、偉大なワインは土壌から生まれると考えています。生物多様性を維持するために、サンザシやイグサ、ヘーゼルナッツの木など様々な植物を畑の周辺に植えています。葡萄はギヨー ドゥーブルに剪定することで、収穫量をコントロールしています。剪定は通常、12月から3月の間に行いますが、このような期間をとることで、春の霜の害を避けるようにしています。たとえば、霜害に最も弱い区画は最後に剪定します。葡萄の栽培をより自然なものに近づけるほど、私たちの仕事は増え、観察とコントロールが必要になります。畑作業はすべて、私自身と娘のジュリエット、一人の従業員だけで行います。経験を積み、意欲のある少人数のチームで働いています。よほどの問題がない限り、外部から栽培チームを雇うことはありません。こうすることで葡萄を常に観察し、厳しくチェックすることが出来ます。ただし、収穫時期には約30人の収穫人のチームを編成し、1週間から10日間ほどかけて作業を行っています」とフィリップは話します。

 

合計3回の厳しい選別を行い、手間をかけて完璧なものだけを残します

葡萄は、合計3回の厳しい選別を行い、手間をかけて完璧なものだけを残します。まず、畑で選別しながら手摘みで収穫します。葡萄が傷つかないよう10kgのケースを使いセラーに運びます。除梗する前に選果テーブルを使い、人の手で丁寧に、しぼんだ粒や、枝や茎などを取り除きます。除梗した後、さらに人の手で粒ごとに選り分け、枝や梗が一切残らないようにし、完璧な葡萄だけを残します。このように手間暇をかけて選び抜いた最高の葡萄だけを使用することで、高品質なワインを造り出しています。

 

葡萄は除梗しますが、破砕せず、粒の状態で発酵を行います。メルロとカベルネ フランは別々に醸造します。アルコール発酵前に短いコールド マセラシオンを行います。アルコールの無い状態で、低温で数日間置くことで、果皮と果肉から色素やタンニン、アロマなどの要素をよりやさしく抽出することができ、種子からの荒々しいタンニンの抽出を抑えることができます。これにより醸造段階で、赤ワインの繊細なキャラクターを大きく変化させずに保つことができます。発酵は温度コントロールしたコンクリートタンクで行います。マロラクティック発酵は一部をフレンチオーク樽で行っています。熟成はコンクリートタンクとフレンチオーク樽で行います。2015年から醸造工程でのSO2の使用量を徐々に減らし、2017年からはSO2を一切添加していません。こうして出来上がるワインは、ピュアなフルーツの味わいがしっかりと感じられ、ボルドーのワインというよりも、造り手の個性が詰まったオリジナリティ溢れる仕上がりとなっています。

シャトー ロシェ コルバン

1回目:畑で選別

2回目:房の状態で不要な粒や枝を取り除く

3回目:除梗した後、さらに粒選り