ナイトハーベストにこだわることで実現する、華やかなアロマときれいな果実味
ガンベロ ロッソも認める、コスト パフォーマンスに優れたヴェルディッキオ
国 | イタリア |
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地域 | マルケ |
歴史 | 1990年 レオナルド パルパチェッリが「トレ カステッリ」を設立。 2000年 エマニュエルとジャンフィリッポの兄弟が新しいブランド「ヴィニェディレオ」を立ち上げる。 |
オーナー | エマニュエル パルパチェッリ : 長男 ジャンフィリッポ パルパチェッリ : 次男 |
葡萄園 | 40ha 30ha : 標高が高く、砂質と粘土が交互に折り重なる土壌。白葡萄(主にヴェルディッキオ) 10ha : 標高が少し低く、低い粘土石灰質土壌。黒葡萄(モンテプルチャーノ、サンジョヴェーゼ、メルロ)
〈動画〉 |
栽培 | 認証は取っていないが化学的なものは最小限に抑えており、ビオロジックに近い 樹齢の若い葡萄の畑は、畝の間にカバークロップとして豆科の植物を生やし、土に窒素を供給する |
<情報リンク>
父から受け継いだワインへのこだわり
ヴィニェディレオは、マルケ州アンコーナ県にあるイエージの町から、15kmほど離れたスタッフォロ村に位置する家族経営の生産者です。1990年、レオナルド パルパチェッリがアジエンダ アグリコーラ トレ カステッリを設立しました。2000年にレオナルドの息子のエマヌエーレとジャンフィリッポの兄弟が引き継いだ際、ワイナリーを設立し、それまでワイン造りを担ってきた亡き父に敬意を払い、彼の名前(レオ)を入れた「ヴィニェディレオ(Vignedileo)」というブランドを立ち上げました。彼らはさらに品質の高いワイン造りを目指し、葡萄の植え替えやセラーの改築を行いました。現状に満足することなく、現在も頑固なほどに品質追求を目指し、努力を続けています。ヴィニェディレオの造るワインの品質の高さは、イタリアワイン評価本「ガンベロ ロッソ」でも紹介されています。
「ワイナリー名にあるレオとはエマヌエレとジャンフィリッポ・パルパチェッリの父レオナルドのことで、彼は夭折したが、地元品種への適切な愛情、厳格に品質を追求して栽培する時の労苦と手作業の重要性、伝統へのこだわりを子供たちに教え込んだ。疲れを知らない2人兄弟は15年にわたりスタッフォロ村のワイン界の規範である。改築された大きな醸造所では完璧な収穫を行うことが出来、出来上がるワインはコスト・パフォーマンスが特に優れている」 -「ガンベロ ロッソ イタリアワインガイド2016」より抜粋 -
急斜面に広がる好条件の畑
このエリアは昔からヴェルディッキオの栽培が行われてきた歴史的な場所で、ヴェルディッキオの栽培に適したとても良い土壌です。葡萄栽培面積は40haで、白葡萄が30ha(ヴェルディッキオ)、黒葡萄が10haです。標高は約450m、スタッフォロ村の中で最も高い場所にあります。斜面の畑であるため、非常に風通しが良く、昼夜の気温差が大きいです。これらの要素は葡萄が完全な状態で熟すのにたいへん重要であると考えています。
主に2つのタイプの土壌があり、標高の高いところと低いところでわかれています。白葡萄(主にヴェルディッキオ)は砂質と粘土が交互に折り重なる土壌の標高の高い畑に植えています。黒葡萄(モンテプルチャーノ、サンジョヴェーゼ、メルロ)は粘土石灰質土壌の標高が少し低い畑に植えています。粘土石灰質土壌は特にモンテプルチャーノに適しています。
このエリアでは珍しい、ナイトハーベストにこだわる生産者
葡萄のフレッシュさを保つため、収穫には神経を尖らせます
ヴィニェディレオでは、収穫した葡萄の酸化を防ぐために、気温の低い深夜に収穫を行います。そうすることで、多くの香りの要素とフレッシュさを損なわずに葡萄をセラーに運ぶことが出来ます。こうした葡萄から得るモストは綺麗なグリーン色となります。「このエリアで、私たちのように真夜中に収穫をしている生産者はほとんどいません。このグリーンがかったきれいな色を持つワインが私たちの造るヴェルディッキオの特徴です。この色は酸化をしていない葡萄でないと出せません」とエマヌエーレは語ります。
ワイナリーの目の前、急こう配の場所に広がる畑。日差しも強く、風も強い。「人には厳しいが、葡萄にとってはまさに素晴らしい場所」とエマヌエーレは語ります。
<保水性の高い砂質土壌がヴェルディッキオに最適>
白い砂質土壌の土を少し掘るだけで水分を含んだ茶色の土が見えます。とても保水性が高いことが分かります。砂だけでなく粘土も重なる土壌であること、そして暗渠(あんきょ)の整備の成果がよく現れていることが土壌状態からもわかります。
<品質を追求するために用意した、オーダーメイドのステンレスタンク>
中が3段に分かれているステンレス製の発酵タンクを使用しています。畑ごと、区画ごとに細かくワインを仕込むために、メーカーに特注して製造してもらったものです。「畑にも人間と同じく個性がある」とエマヌエーレは語ります。タンクの周囲には冷水を流せる装置があり、これによって温度調節を行うことが出来ます。
<熟成用セラー>
醸造タンクの置かれているセラーの反対側に、熟成庫、テイスティングルーム兼販売所、そしてボトリング設備があります。ここは、2003年に丘の斜面を削って造られたもので、一部の壁はむき出しの天然の岩盤となっています。大昔は海だった場所のため、海由来の土壌となっています。岩盤は砂と粘土が交互に層をなしています。この半地下状態のセラーは天井がとても高く、何もしなくても自然に18度に室温が保たれています。また湿度もあるため、ワインの熟成に理想的な環境と言えます。白のフロッコ(I-797)や赤ワインの熟成はフレンチオーク樽で行います。ベルトミュー社など様々な樽メーカーのものを使用しています。樽は毎年買い足しており、特にメーカーを決めているわけではなく、良いと判断した樽を仕入れています。