ラングドックの農夫の姿を見てワイン造りを志す/フランケンを代表する銘醸畑も所有
国 | ドイツ |
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地域 | フランケン |
歴史 | 1985年 ヴェルデマー ブラウンによってノルトハイム村に設立。2haからスタート。 現在は、息子のパトリックが主導でワイン造りを行う。 |
オーナー | パトリック ブラウン : ヴァルデマーの息子。現在はパトリックを中心にワイン造りを行っている。
ヴァルデマー ブラウン |
葡萄園 | 15ha すべて自家畑 ミュラートゥルガウ4.8ha、シルヴァーナー 3.2ha、その他品種7ha 平均樹齢50年
<映像> エッシェンドルファー ルンプの畑。フランケンで古くから最良の畑として伝えられる、銘醸畑です。マイン川に沿って造られる見事な急斜面です。 |
栽培 | フランケンでは珍しいコルドン仕立て : 小さな房の小さな粒の葡萄ができるので、ワインに凝縮感がでる。 葡萄畑の管理で大切なことは、自然と共存した葡萄栽培と考えています。生態系を維持し、自然を尊重した環境を守りつつ、葡萄を栽培しています。 |
<情報リンク>
「ラングドックへの旅でワイン造りに目覚める」
ヴァルデマーは、ある時休暇を南フランスで過ごし、ラングドック ルーションのワイン産地を訪ねました。そこで農夫達の喜びと平和に満ちた生き方を見て、強烈な印象を受けました。自分たちのワインを造りたいという想いはそこから始まりました。「自分のこれからの人生をワインに捧げようと思いました」と彼は話します。その時からワイングートの設立に至るまでは、他のワイングートで働くなどして、様々な苦労や経験を経てきました。そして、長い年月をかけて現在の畑を所有するまでになりました。
「ワイン造りの喜びは、飲んだ人の満足した顔を見ること」
「飲んでくれた人の顔を見ることで、すべての苦労が報われ、大きな喜びを感じます。しかし、そのためには毎年、厳しい自然と闘いながら、その中で多くの労力を注ぎ、ワインの品質をつねに向上させていくことが大切だと思っています。またワイン農家の仕事は多岐にわたり、緊張を伴う仕事であると日々感じています」とヴァルデマーは話しています。
「葡萄そのものが持つ要素を損なわない」
畑の間を蛇行するマイン川はこのエリアの気候に特別な影響を与えています。畑の標高は平均で150~200m。石灰質土壌で、底土には貝殻を含む石灰岩がミルフィーユのように何層にも重なっています。畑の区画は約60に細かく分かれています。15種類の葡萄を栽培していますが、最も大切な葡萄は、シルヴァーナーです。葡萄畑の管理で大切なことは、生態系を維持し、自然を尊重した環境を守りつつ、葡萄を栽培することと考えています。ワインの品質は畑で決まるという哲学のもと、品質の高い葡萄を得るため、収量を制限し、厳しい選別を行います。また、品種の個性とヴィンテージの特徴を生かすことを大切にしています。自然な葡萄そのものが持つ要素を損なわないように、醸造過程においても細心の注意を払っています。
<評価>
「ヴィヌム2019」で1.5星、「ゴーミヨドイツワインガイド2019」で赤1房、「アイヒェルマン2019」で3星。
エッシェルンドルファー ルンプの畑
フランケンで最良の畑のひとつで、その歴史は1655年に遡ります。畑の土壌は「ムッシェルカルク(貝殻石灰岩)」と呼ばれる独特の石灰岩で、シャブリやサンセールに見られるキンメリジャン土壌と似通っています。極上の辛口白ワインを生むのにふさわしい葡萄畑といえます。
底土には写真のような貝殻を含む石灰岩が、まるでミルフィーユのように何層にも重なり、その上に薄い砂質の層があります。気温が他の場所よりも高いため葡萄が良く熟します。
ヒュー ジョンソン氏とジャンシス ロビンソン氏の共著である『ザ ワールド アトラス オブ ワイン』には、ムッシェルカルクについて「その土壌がワインに優美な活力を与え、それはかの有名なヴュルツブルガー・シュタインやさらに蜂蜜の味わいのエッシェルンドルファー・ルンプのワインの中にとりわけ顕著である」と記載されています。
ノルトハイマー フェーゲラインの畑
エッシェルンドルフとマイン川を挟んで対岸に位置するノルトハイム村の葡萄畑。標高150~200m、西向きで朝日から夕陽まで日の当たる畑ですが、気温が涼しく、よりミネラリーで直線的な味わいになります。ルンプ同様にムッシェルカルク(貝殻石灰岩)の土壌で、爽やかな飲み口があり、フランケンの典型的なシルヴァーナーの味わいが楽しめます。