スペインのユニークな地葡萄、プリエト ピクードとアルバリンの可能性を切り開いたパイオニア
D.O.レオンを躍進に導いた生産者
国 | スペイン |
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地域 | レオン |
歴史 | 1949年 代々続くワイン農家出身のファラエル アロンソが設立。バルク販売、リキュール製造 1989年 第2世代のホセが、仕立てを株仕立てから、垣根仕立てに変更 1997年 僅か5樽、1,000本にも満たないワインを「パルデバジェス」の名前で初リリース 1999年 第3世代のラファエルがエノログとして加わる 2013年 第3世代のヴィクター畑担当、ヒューゴが醸造担当として加わる |
オーナー | アロンソ家 家族経営で3世続く生産者 |
葡萄園 | 34ha プリエト ピクード 31ha、アルバリン ブランコ 3ha |
栽培 | オーガニックで栽培。認証はなし。 |
<情報リンク>
「哲学は、その土地、その土着品種を尊重し、高い品質を得るために常に革新を続けること」・・土着品種であるプリエト ピクードとアルバリン ブランコの発展のために力を尽くし、D.O.ティエラ デ レオン躍進の原動力となった生産者です。黒葡萄のプリエト ピクードは株仕立てにするという伝統を破って、最も早く垣根仕立てにした生産者でもあります。株仕立ては地面の非常に近くで栽培するため、昔から腐敗が問題になっていました。また、白葡萄のアルバリン ブランコはそれまでベルデホにブレンドするものという認識でしたが、その将来性に注目し、2003年に3ha植樹。そして、2008年に初めてアルバリン ブランコ100%のワインをリリースしました。プリエト ピクードに続きアルバリン ブランコでも先駆者となりました。
「畑での品質が、ここから始まる総ての工程を決める」・・一族のワイン造りの伝統を引き継ぎ、ラファエル、ヒューゴ、ヴィクターの三兄弟は、1年を通じ、剪定やその他の作業を行い、葡萄畑での仕事に時間を費やしています。
「セラーにはこの地域で最初に最新設備を導入」・・この地域で最初に醸造用ステンレスタンクや温度管理システムを導入しました。熟成には、300年以上の歴史ある地下セラーを利用しています。地下セラーは地下5mにあり、温度は年間を通して12度、湿度は75~80%に保たれていて、ゆっくり長期にわたり熟成させるのに理想的な環境です。中にはフレンチオークの樽(60%)とアメリカンオークの樽(40%)、合わせて計125個が置かれています。
土着品種であるプリエト ピクードとアルバリンの発展のために尽力
パルデバジェスは、1949年ラファエル アロンソにより設立されました。土着品種であるプリエト ピクードとアルバリンの発展のために力を尽くし、D.O. レオン躍進の原動力となった生産者です。プリエト ピクードは株仕立てにするという伝統を破って、最も早く垣根仕立てにした生産者でもあります。株仕立ては地面の非常に近くで栽培するため、昔から腐敗が問題になっていました。
また、通常ベルデホにブレンドするものという認識だった地葡萄アルバリン の将来性に注目し、2003年に3ha植樹。そして、2008年に初めてアルバリン100%のワインをリリースし、プリエト ピクードに続き、アルバリンでも先駆者となりました。当時、アルバリン単一でのワインはパルデバジェスだけしか造っていませんでしたが、「ペニンガイド」、「ワインアドヴォケイト」で高評価を得ると、それを見て周りの生産者も造り始めるようになりました。
常識にとらわれず、仕立てを変えることにトライ。その結果、劇的に品質向上を遂げた、プリエト ピクード。
プリエト ピク―ドは自発的に枝が地表に向かって伸びる特殊な品種のため、湿気によりすぐ病気になってしまいます。そのため、かつては4年に1度しか、ワイン造りが出来るレベルの葡萄が育ちませんでした。パルデバジェスでは、80年代後半に、2代目のホセ ラファエルがリベラ デル ドゥエロの友人のテンプラニーリョに仕立てのヒントを得て、プリエト ピクードの仕立て方を変えました。それは、この地域では初めて試みでした。その後は、太陽の光を十分に受けることができ、パルデバジェスの葡萄だけが完熟するようになりました。かつては4年に一度しか良い葡萄はできませんでしたが、今では安定して良い葡萄を造れるようになりました。
プリエト ピクードの粒は非常に小さく、プリエト=コンパクトで、ピクード=オリーブ形という意味です。粒に対する果汁の比率は、テンプラニーリョが75%であるのに対し、プリエト ピクードは60%しかありません。また、実に対して種の比率も高いと言えます。それは葡萄自体が濃縮しており、パワフルであるということです。タンニンの質はプティ ヴェルドやネッビオーロ、カベルネ ソーヴィニヨンに似ています。そのため、注意深く醸造しなければタンニン豊富でパワフルすぎるワインになってしまい、非常に難しい品種でもあります。
「私たちは、発酵前にタンニンの抽出を行うことで、ワインのタンニンが力強くなりすぎないようにしている」とラファエルは語ります。例えば、テンプラニーリョの場合、発酵後に圧搾しジュースを取り出します。それに比べて、プリエト ピクードでは醸しの後に圧搾しジュースだけを取り出し発酵させます。発酵前に果皮を抜き、色、タンニンが強く出ないようするのです。ガモナルやカロレオンは通常通り、発酵が終わるまで果皮は取り除きません。
「アルバリン」の可能性を見い出す
現在、ラファエルを中心にワイン造りをしています。彼はマドリッドで醸造学を学び、1999年にボデガに戻ってきました。そしてワインメーカーとして加わり、グリーンハーベストなど新しい技術を取り入れました。また、地葡萄のアルバリン ブランコの将来性に注目し、2008年に初めてアルバリン100%のワインをリリースしました。
アルバリンの畑はゴロゴロした石が大量にある土壌で、畑にはオーガニックなものしか使っていません。年間500㎜という少ない降水量の土地で、少ない水分も吸収してしまうことから、雑草は生やしません。アルバリンはアロマが最も重要とラファエルは語ります。特に8月に形成されるアロマが重要と考えています。このエリアは標高が高いため、8月は昼の気温は38度まで上がり、夜は19度まで下がります。昼と夜の寒暖差が20度近く違い大きいため、素晴らしいアロマが生まれます。
アルバリン、ロゼ、プリエト ピクードについては機械で収穫を行います。機械で行うのは10度以上に葡萄の温度が上がらないように一気に収穫をする必要があるためで、朝4時に収穫を初め、遅くても11時までに収穫を終わらせます。
<プリエト ピクードの特徴>
プリエト=「コンパクト」、ピクード=「オリーブ形」という名前の葡萄品種です。プリエト ピクードの粒は非常に小さく、粒に対する果汁の比率は、テンプラニーリョが75%であるのに対し、プリエト ピクードは60%しかありません。また、粒に対して種の比率が高くなっています。これは葡萄自体が濃縮しており、パワフルであるということを意味しています。タンニンの質はプティ ヴェルドやネッビオーロ、カベルネ ソーヴィニヨンに似ており、注意深く醸造しなければタンニン豊富でパワフルすぎるワインになってしまいます。パルデバジェスでは発酵前低温浸漬という方法や、マセラシオンの期間を短くするなどの工夫をすることによってフレッシュでフルーティ、そして品種特徴の出たワインが出来るようになりました。
栽培が難しい葡萄品種でもあり、湿気によりすぐ病気になってしまうため、かつては4年に1度しか満足のいく葡萄が出来ませんでした。しかし、1989年に第二世代ホセ ラファエルがリベラ デル ドゥエロの友人のテンプラニーリョに仕立てのヒントを得て、それまでの株仕立てという伝統を破り、垣根仕立てに変更しました。その後は、太陽の光を十分に受けることができ、パルデバジェスの葡萄だけが完熟するようになったのです。かつては4年に一度しか良い葡萄は実りませんでしたが、今では毎年のように良い葡萄が育ちます。
<アルバリン ブランコの特徴>
昔からティエラ デ レオンの地葡萄ではありましたが、ベルデホにブレンドするための品種という認識があり、アルバリン ブランコ100%で造るということを誰もませんでした。絶滅の危機にあった土着品種を再生するために、パルデバジェス 2004年に試しに3ha植樹したのが始まりで、2008年にはアルバリンでエステートボトルを造りました。以降ペニンガイドやワインアドヴォケイトでも評価が非常に高く、それを見て周りが始めるほどです。