リスクがあっても毎年アイスヴァインを造りに挑戦するのは、家族にとっての伝統だから
国 | ドイツ |
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地域 | ラインヘッセン |
歴史 | 15世紀 ウーデンハイムの町の記録にファウスの名前が見られる 1732年 これ以降ファウス家が運営 1920年 アウグスト ファウスⅡが農園とセラーを設立 1958年 ハインツ ファウスが引き継ぐ 1970年 ボトルでのワイン販売開始 1974年 初めてアイスヴァインを収穫 |
オーナー | ルドルフ ファウス : ワイン栽培と醸造のディプロマを持っている。ラインガウのシュロス ヨハニスベルクで修行をし、またガイゼンハイムのワイン学校でも学んだ。
ハインツ ファウス : ルドルフの父。1974年に父がアイスヴァインを造り始め、今では家族にとって伝統となった。 |
葡萄園 | 畑25.5ha 75%白ワイン用品種 25%赤ワイン用品種 2016年は1.5haをアイスヴァイン用に冬まで収穫せずに残した。 |
<情報リンク>
「シュロス ヨハニスベルグで修業」 300年以上続く家系です。オーナーのルドルフ ファウスは、ラインガウのシュロス ヨハニスベルクで修行をし、またガイゼンハイムのワイン学校でも学びました。その後、父ハインツとワイン造りを共にしましたが、現在父は引退し、彼が引き継いでいます。ラベルにはハインツの名前が残っています。所有する畑は25.5haで、最も大きな畑はウ-デンハイムにあります。注目すべきはアイスヴァイン以上のクラスで、とてもリーズナブルです。
「普通使わない葡萄でもアイスヴァイン造り」 父の長年の経験が、BAやTBA、アイスヴァインの成功に役立っています。ただ、父はリースリングやシルヴァーナーなど伝統的な品種のアイスヴァインを造っていましたが、ルドルフは普通使わない葡萄品種(シャルドネなど)からもアイスヴァインを造ろうとしています。アイスヴァインだけは、特別に培養した酵母で安定した発酵をさせています。「1974年に父がアイスワインを造り始め、それ以来(2、3年の例外はあったものの)毎年挑戦してきました。アイスワインを造ることは私たち家族にとって伝統となり、今も挑戦を続けているのです」。
「アイスヴァイン造りはとても大変」 何度も調査員が来てアイスヴァイン用の畑の大きさとその葡萄の品質(アイスヴァインとして認められるか)、収穫時の葡萄の状態と収穫予定の面積、収穫された葡萄の収量とその品質、醸造されている途中のワインの量と品質、ボトリングされる予定の量と品質、ボトリングされた後の量などをチェックしていきます。また、温暖化により、自然条件が厳しくなってきました。
<アイスヴァイン造りは大変>凍った葡萄の実
2017年にルドルフにお会いした際、アイスヴァイン造りの大変さについて話していただきました。
「良いアイスヴァインを造るには、葡萄が健康でなければなりません。貴腐菌で乾燥した葡萄ではトロッケンベーレンアウスレーゼやベーレンアウスレーゼになってしまいます。アイスヴァインは、黄金色の粒が凍る状態がベストです。そうすれば、フレッシュな果実感と酸のバランスの良いものができます。同じ高い糖度でもアイスワインは、乾燥した葡萄を使うトロッケンベーレンアウスレーゼとは異なるキャラクターをもたなければなりません。
ワイングートの経営を考えれば、誰もアイスヴァインを作りません。なぜなら作れる保証のないギャンブルだからです。
父ハインツは80年代・90年代に8回アイスヴァインを作りましたが、私はこの10年間で2回(‘12VTと‘16VT)しか出来ませんでした。私は、できなかった年も、運よくできた年も、毎年・毎年同じようにアイスワインを作るための作業と準備を行っています。10年間でできなかった8回は、その畑の収穫はゼロになりました。できた2回の内、2016年は近年のベストです。」
<それでもアイスヴァインを造るわけ>
「1974年に父がアイスヴァインを造り始め、それ以来2、3年の例外はあったものの、毎年挑戦してきました。アイスヴァインを造ることは私たち家族にとって伝統となり、今も挑戦を続けているのです。しかし、温暖化により自然条件が厳しくなってきました。
何度も調査員が来てアイスワイン用の畑の大きさとその葡萄の品質(アイスヴァインとして認められるか)、収穫時のブドウの状態と収穫予定の面積、収穫されたブドウの収量とその品質、醸造されている途中のワインの量と品質、ボトリングされる予定の量と品質、ボトリングされた後の量などをチェックしていきます。すべてのワインの中でも品質のコントロールが一番厳しいワインがアイスヴァインです。」