生産者情報

ドメーヌ ガルディエDomaine Gardies

皆がどこにでもあるワインを望むなら、私達のようなワイナリーは存在しないだろう

ドメーヌ ガルディエ
ドメーヌ ガルディエ
ドメーヌ ガルディエ
ドメーヌ ガルディエ
ドメーヌ ガルディエ
ドメーヌ ガルディエ

生産者情報

フランス
地域 ラングドック ルション
歴史

1885年からワイン造りをする生産者一家

1990年 ガルディエ家がエスピラ ド ラグリー村に葡萄畑を購入する。

1993年 ジャン ガルディエが引き継ぐ

オーナー

ジャン ガルディエ : 1961年生まれ。

 

ヴィクトル ガルディエ : 息子。

葡萄園

35ha(45区画)  標高は高いところで300~380m  その内、15haがマ ラ カーブ用 (樹齢15~45年) 

赤用(80%) : シラー、グルナッシュ、カリニャン、ムールヴェードル

白用(20%) : ミュスカ、グルナッシュ ブラン、マカベオ、ルーサンヌ

シスト ノワール  日照の吸収率が高く、土壌に保温性がある

栽培

2007年 エスピラがオーガニック認証。

2012年 すべての畑がユーロリーフ認証を受ける。   

収穫は、マ ラ カーブ以外は手摘み

<情報リンク>

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この地域のトップ生産者ドメーヌ ゴビを含む友人達と、ルションの評価を高めるべく栽培、醸造に情熱を注いでいます。その努力に呼応するように、ワイン雑誌などで高い評価を得ています。

「テロワールを表現するための栽培」  樹齢が古く根が深いので、土地のテロワールがしっかり表現出来ます。畑の周りには草花を生やし自然な生態系を作ることで、土壌にミネラルが産み出されます。非常に小さい畑が多く、海抜ごとに成長具合も違うので、畑仕事は8~10人で行い、収穫時は20人以上になります。肥料は基本的には使用せず、馬を使って土を掘り返し、必要な時は家畜の糞と食物を混ぜたものを使用します。病気の時はイオウとオレンジの皮を、必要最小限にする為に松脂と混ぜて使用します。「全世界に受けるようなワインではなく、テロワールを尊重したワインを造っていきたい!」と考え、ワイン造りをしています。

「タンクの形や樽の厚みに、細かなこだわり」  ブルゴーニュ産の正方形のコンクリートタンクで、マセラシオンを行います。縦横の比率が同じであることが大事で、果帽が空気と触れ合う最も良い形です。樽と同等の効果があり、違いは樽の風味が付くかどうかです。樽は、トノーを使用します。酸化を好まない品種もあるので、合わせて樽の厚みを変えています。ムールヴェードルやシラーは、約3.2cm、グルナッシュは、約4.2cmという具合です。フレッシュかつストレートな味わいになる東ヨーロッパ産の樽を使用しています。

「品種の特徴を生かすように醸造」  ソーヴィニヨンやヴィオニエ等のアロマティックな品種は酸化を好まないので、酸化をコントロールし、果実味が出たワインとして造ります。マカベオなど元々香りがあまり出ない品種は、酸化させることで香りが出るので、樽で熟成させます。

 

 

<評価>

「ワインスペクテーター」ではルションの新しい生産者の一人として紹介。また、アンドリュ ジェフォード「ザ ニュー フランス」にも、ゴビと共に2ッ星で掲載されています。

 

 

「ドメーヌ・ガルディエ」は、極めて造りのしっかりした複雑な赤ワインを造ることで知られている。ドメーヌ発祥の地であるヴァングローの純粋な石灰岩質の地区を開墾し、キュヴェ「ファレーズ」向けのブドウの樹をそこに植えた。ジャン・ガルディエは、圏谷に隣接するエスピラ・ド・ラグリを超近代的な醸造施設に整備したが、そこにはキュヴェ・「ラ・トレ」のための見事なムールヴェードルが植えられている。このドメーヌでは、うっとりするような「レ・グラシエール」のような、卓越した辛口の白ワインも造られている。  ベタンヌ&ドゥソーヴ「フランスワイン格付け」

ドメーヌ ガルディエ

<馬を使った耕作>2013年ワイナリー訪問時

畑が狭いので、馬を使って、土を掘り返します。「テロワールを尊重したワインを造っていきたい!できる限り自然に従ったワインを造りたい!」と語るジャン ガルディエの哲学がこのようなところからも感じられます。

 

「初めからNo1のワインを造りたかったが畑で多くの仕事があって直ぐには出来ませんでした。葡萄にはストレスを与えすぎてはいけないが、ちゃんと養分をとっても筋肉質にならないように、完熟になるぎりぎりのストレス限界を探さなければなりません。ぎりぎりのストレスとは、たとえば深く土を耕すとき、幹からどのくらいの位置の根を切ってしまおうか・・とか。畑の仕事により、熟成度の高い丸いタンニンもできるのです。・・・」2003年訪問時のジャン ガルディエの言葉

ドメーヌ ガルディエ

<ジャン ガルディエ>2003年ワイナリー訪問時

「世界レベルの中においてもルションにグラン ヴァンが出来ることが徐々に証明されてきています。しかし全体のワインの品質はまだまだです。このアペラシオンの価値を高め、よいワインが造られれば、この地方も注目されて質も高くなり、価格も上がっていくでしょう。すでにこの地方の10人くらいの人たちは高い品質を作ろうと努力しています。私もゴビなどと3人の仲間がいて、時々会ってよいワインを作りたいと燃えています。私にとってワイン造りは、スポーツのプロと同じような仕事です。毎年毎年成果を上げていかなければならないからです。・・」2003年訪問時のジャン ガルディエの言葉。

 

「私がラグビー選手をしていた頃、父が私に質問をしてきました。父は7世代に渡り所有してきた土地(葡萄畑)を所有していたのですが、私に畑を継ぐ気があるのか尋ねたのです。私にとって、それは判断の難しい質問でした。それまで、父と一緒に働くなんて考えたこともありませんでしたから。しかし、世代を超えて引き継いできた畑やワイン造りのノウハウを、私も受け継いでいくべきと思ったのです。

私(8代目)が引き継いでから、いくつか変えたこともあります。例えば、父の世代は甘口をたくさん造っていましたが、私は赤ワインにシフトしました。ワイン造りを始めた決断は良いものでした。ワイン造りを通して出会うことができたお客様との会話は楽しいですし、畑仕事・畑との対話もとても楽しく感じます。畑には、家族が残してくれた素晴らしい遺産があります。例えば、ラ トルやレ ファレーズの畑の葡萄の樹齢はとても古く、100年以上昔に植えられた樹もあります。こうした要素が、ドメーヌ ガルディエと他の生産者との違いを生むのです。」2017年訪問時のジャン ガルディエの言葉

ドメーヌ ガルディエ

<トータヴェル>2013年ワイナリー訪問時

AOCコート デュ ルーションでは、より限られた北部のエリアのワインは「ヴィラ―ジュ」を名乗ることができ、さらに小さなエリアとして5つの名称が認められています。その内の1つがドメーヌ発祥の地であるヴァングロー村を含む、コート デュ ルーション ヴィラ―ジュ ”トータヴェル”です。トータヴェルとヴァングローの2つの村が”トータヴェル”の名称を使うことが認められています。

トータヴェルのエリアは山間部で、山の間を風が舞い、冷涼で乾いた土地です。そのため、害虫がつきにくく病気の心配もありません。土壌は粘土石灰質で、トータヴェル クロ ド ヴィーニュ(FB901)やトップキュヴェのトータヴェル レ ファレーズ(FA715)の葡萄を育てています。

ドメーヌ ガルディエ

<シストノワールの土壌(エスピラ ド ラグリー)>2013年ワイナリー訪問時

ジャン ガルディエが近代的なワイナリーを建てたエスピラ ド ラグリー村の土壌には、この地域に特徴的なシストノワール(黒色片岩)が分布しています。シストノワールはルーションの中でも、北部にしか分布していません。この土壌の特徴は、日照の吸収率が高く、保温性があり、葡萄にとって良い環境をもたらすことです。特にムールヴェードルの栽培には向いており、ワインに力強い味わいをもたらします。ムールヴェードル100%のジュ シェルシュ ル シエル(FB745)や「男性的なワイン」とジャンが表現するラ トル(FA714)にその鱗片が窺えます。