ジゴンダスのチャンピオン/ジゴンダスについての記事で、サンタ デュックが出てこない雑誌、ガイドはありません。
国 | フランス |
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地域 | コート デュ ローヌ |
歴史 | 1874年 ドメーヌ サンタ デュック創設。 1985年 エドモン グラからイヴ グラが引き継ぐ。大半をバルクでネゴシアンに売っていたが、全て元詰めに切り替えた。 2017年 息子のバンジャマンが研修を終え、参加。 |
オーナー | イヴ グラ : 5代目。1962年生。引き継いだ頃は、他に産業もなく、皆当たり前のように家業を引き継いでいた。しかし、イヴは葡萄造りや醸造学を学ぶことから始め、新しい技術を取り入れながら、情熱をもってワイン造りを行っている。
バンジャマン グラ : 6代目。ディジョン大学で醸造学の学士を取得(2015年卒業)。幸運なことに大学最後の実地研修はドメーヌ ド ラ ロマネコンティにて行った。その後、世界中のワイナリーで修業(山梨でも研修した)。2017ヴィンテージからは醸造にもかかわる。 エドモン グラ : イヴの父。4代目。 ヴェロニク グラ : イヴの妻。経理関係を担当 |
葡萄園 | 計30ha ジゴンダス13ha、シャトーヌフ デュ パプ6haがメイン。 ロエックス5ha、ラストー2ha、ヴァケラス2ha、セギュレ1ha、サブレ1ha |
栽培 | マサル セレクション 自家畑はオーガニック 畑には化学的なものや除草剤を使わず、土を耕して除草。肥料は植物から作られたコンポストを使用。 ドメーヌを引き継いだ80年代から有機農法を行っているが、2012年から一部アイテムに認証のABマークが付く。
収穫 : 100%手摘み。 15人で3週間。ドライアイスを使い、SO2を使わないようにする(葡萄破砕時とボトリング時のみ最小限使用) 収穫時期は、昔は過完熟、今は完熟と、少し早くなった。 |
<情報リンク>
<映像>
「目指すは、ローヌのブルゴーニュワイン」 「良い酸と良いストラクチャーを持った南ローヌでもしなやかでエレガントなワインを目指している。理想はブルゴーニュワイン、一杯ではなく一本飲めるワインを造りたい」とイヴ グラは話しています。具体的には、長い醸しはタンニンが強くなりすぎてしまい果実と酸を失ってしまうので短くし、熟成は樽を利かせると力強くなり過ぎるので、容器をバリックからフードル(3,000L)+テラコッタの壺(イタリア・インプルネータ製、800L)に移行しています。
「ドメーヌワインは畑仕事、ネゴシアンワインはブレンドがポイント」 ドメーヌワインには多くの畑仕事が必要で、現在4~5人を畑専門に雇っています。ネゴシアンワインは畑の作業は少ないですが、ブレンドに労力がかかります。しかしグラには南ローヌの友人が多く、彼らの情報を通して良い葡萄が入手出来ます。セラーでの仕事は基本的にグラ一人で行なっています。
「ミミズク」 サンタ デュックという名前は、ドメーヌの周りに生息する「グラン デュック Grand Duc」という珍しい野生の鳥(ミミズク)に由来しています。
<評価>
ロバート パーカー Jr.は、ジゴンダスの5ッ星生産者として、非常に高く評価しており、『ローヌ ヴァレー』の中で、「私にいわせればサンタ デュックはジゴンダスに君臨するチャンピオンである」といい、また「ワインスペクテーター」誌が選んだ2000年のBEST100の中で、彼の’98VTジゴンダスが15位にランキングされました。いかなるワイン雑誌でも、ジゴンダスについて語られて、ドメーヌ サンタ デュックの名前が出てこないということはありません。ロバート パーカー Jr.「ワールド グレイテスト ワイン エステイト」に掲載。ヒュー ジョンソン「ポケット ワイン ブック2019」に、ジゴンダスのトップ生産者、『洗練されている』と掲載。
「ドメーヌ・サンタ・デュックは、10年ちょっとの間にジゴンダスで最も品質の高いワイナリーとして頭角を現した。これはイヴ・グラの功績によるところが大きい。背が高くて感じが良く、おそらく40代前半ぐらいであろうが、それよりも若く見える。彼は1985年に父親のエドモン・グラが引退すると跡を引き継いだ。それまでは、事実上生産量のすべてが、様々なネゴシアンに売られていた。さわやかで情熱的なイヴは、若さの勢いを持って、このワイナリーは方向転換をして、つくったワインの元詰めを始めるべきだと決心した。サンタ・デュックはジゴンダスの重要なワイナリーとなったばかりでなく、高品質のコート・デュ・ローヌとヴァカレーズの、注目に値する生産者となった。」
ロバート パーカー Jr.「ワールド グレイテスト ワイン エステイト」(河出書房新社版より)
<ジゴンダスのチャンピオン>2001年ワイナリー訪問時
「ドメーヌ・サンタ・デュックは、10年ちょっとの間にジゴンダスで最も品質の高いワイナリーとして頭角を現した。これはイヴ・グラの功績によるところが大きい。背が高くて感じが良く、おそらく40代前半ぐらいであろうが、それよりも若く見える。彼は1985年に父親のエドモン・グラが引退すると跡を引き継いだ。それまでは、事実上生産量のすべてが、様々なネゴシアンに売られていた。さわやかで情熱的なイヴは、若さの勢いを持って、このワイナリーは方向転換をして、つくったワインの元詰めを始めるべきだと決心した。サンタ・デュックはジゴンダスの重要なワイナリーとなったばかりでなく、高品質のコート・デュ・ローヌとヴァカレーズの、注目に値する生産者となった。」
ロバート パーカー Jr.「ワールド グレイテスト ワイン エステイト」(河出書房新社版より)
「サンタ・デュックは、古典的なジゴンダスの持つ筋肉質や豊かさ、熱気を、このアペラシオンの多くのワインに欠けているある程度の優雅さや純粋さと組み合わせている。私にいわせれば、サンタ・デュックはジゴンダスに君臨するチャンピオンである。」
ロバート パーカー Jr.「ローヌワイン」(万来舎より)
<今も進化し続けるサンタ デュック>2017年ワイナリー訪問時
2014年から実験的にジゴンダス、シャトーヌフ デュ パプの一部をトスカーナ産のテラコッタ壺(800ℓ)に入れて熟成させています。この壺は、表面の厚みが3~4cm。素焼きで内部もコーティング等はしていなません。壺自体で微量の空気交換(自然のミクロオキジェナシオン)ができるため、ワインそのものの状態を尊重してくれる容器といえます。
また熟成用オーク樽はバリック(小樽)からフードル(大樽)へ切り替えました。大樽は、数少ない一流生産者が使うオーストリアのストッキンジャー社のフードル(36hℓ)を使用しています。この樽の特徴は焼きを一切入れていないことです。また、樽材にする木は10年以上も乾燥させているため、木がもともと持っているタンニンが少なくなっています。
フードルやテラコッタ製の壺を使うようになった大きな理由のひとつが、地球温暖化の影響だそうです。過去20年間で2度、平均気温が上がっているため、葡萄が完全に熟すようになりました。葡萄に十分な糖度、タンニンが得られるようになった今、樽からのタンニンはあまり必要としません。