モンテプルチャーノ ダブルッツオを日本に広めたリーダー的存在
意図的にリリースを遅らせ、ボトル熟成して飲み頃になってからの出荷
国 | イタリア |
---|---|
地域 | アブルッツォ |
歴史 | 16世紀終期 設立 1577年 コルナッキア家がナポリ王国により、バローネ(男爵)の爵位を与えられる。 ブルボン王朝との国境を接するこの土地を管理、監視する役目を担っていた経緯 か ら先祖代々、広大な土地を所有し、その中から葡萄栽培に適した選りすぐりの 土地を畑とし、質の高いワインを造ってきた。
20世紀初頭 イタリア全土を襲ったフィロキセラによる畑の壊滅後、フィリッポ ヴィッツァー ロ コルナッキアがアメリカの台木にクローンを接ぎ木し、畑の植え替えを行う。 1933年 品評会で最初の公的な賞を受賞。この時代に既に見本市にワインを出展。 1960年代 モンテプルチャーノ ダブルッツォをアブルッツォでいち早く瓶詰めを行った。 1972年 ピエロ コルナッキアがワイナリーを引き継ぐ。 1980年代 ヨーロッパ、アメリカへワインの輸出を始める。 1990年代 日本へ輸出をスタート。 2012年 ゴフレード アゴスティーニがエノロゴとしてワイン造りに参加。 2016年 カテリーナとフィリッポが父からワイナリーを引き継ぐ。 |
オーナー | カテリーナ コルナッキア : 1976年生まれ。主に販売や事務管理。 フィリッポ コルナッキア : 1977年生まれ。ワイナリーのセラーの仕事を中心。
ゴッフレード アゴスティーニ(エノログ) 2012年から、コンサルタント。ヴェレノージやトスカーナ、アメリカの生産者も兼任。意見交換して一緒にワイン造りすることで、コルナッキアのスタイルを残しつつ、品質がさらに向上。 |
葡萄園 | 60ha アブルッツオ州北部に位置する古くから葡萄栽培に適した丘陵地。 80%が南向きの斜面で、石の多い石灰岩土壌。 アドリア海が穏やかな気候をもたらし、高い山(グラン サッソ)が悪天候を遮る。
|
栽培 | 有機栽培。イタリアを代表するICEAの認証、EUの有機ロゴ「ユーロリーフ」表示。 害虫除けには主にフェロモン。肥料は鶏の糞。
|
<情報リンク>
日本にモンテプルチャーノ ダブルッツォを広めた生産者のひとり
アブルッツォ州の北部テーラモ県に位置し、北隣のマルケ州とのほぼ州境寄りに代々続いている生産者です。イタリアの生産者としては規模が小さく、限られたスタッフで手作業を重視した、しっかりした造りをしています。モンテプルチャーノの畑は全てD.O.C.G. コッリーネ テラマーネ モンテプルチャーノ ダブルッツォの区域に位置する大変すばらしい畑です。
弊社がコルナッキア家のワインを扱い始めたのは1991年のことでした。その頃、日本市場でモンテプルチャーノ ダブルッツォを見かけることはありませんでした。それでも、経験したことのない濃い色と、はちきれんばかりの果実味が脚光を浴び、人気に火を付けました。今では、日本市場においてモンテプルチャーノ ダブルッツォは無くてはならない存在となりましたが、コルナッキア家のワインはそのリーダー的存在でした。
現在、日本での普及に貢献したピエロ コルナッキアは一線を退き、ワイン造りは二人の子供、カテリーナとフィリッポの姉弟に引き継がれました。彼らは伝統を守りつつ、2012年には新たにコンサルタントを招き、新しい要素も積極的に取り入れたことが、更なる品質向上へとつながりました。
有機栽培の姿勢は昔から変わっていません
フィリッポとカテリーナの代になり、ユーロリーフやICEAの認証を取得しました。しかし、認証を受ける遥か前から有機栽培をしており、その姿勢は昔から変わっていません。
「虫や動物が共存するオアシスのようなエコロジカルな自然環境を保ちたいと考えている。今聞こえている小鳥の声は、自分がまだ幼かった頃から聞いている。こうした環境を守っていきたい。認証の取得に必要な規定で決まっている事は、私達の家族がずっと昔からやってきた、当たり前の事ばかり。だから、有機栽培の認証を取得するということは、商業的な目的ではなく、あくまでも土地に対しての敬意を払うというとても自然な流れだった」と2018年現地訪問時にフィリッポは話していました。
日本向けのモンテプルチャーノ ダブルッツォは数年間熟成させて
ある程度飲み頃になってから出荷しています
コルナッキア家のような伝統的なスタイルのワインには、ボトル熟成が必要と考えており、日本市場向けのモンテプルチャーノ ダブルッツォはコルナッキア家のセラーで意図的に数年間寝かせてから入荷しています。こうした取り組みは生産者にとってはリスクのある方法ですが、それ以上に、日本の皆様に飲み頃を迎えた美味しいワインを届けたいというコルナッキア家の好意によるものです。
<ピエロ コルナッキア>(1996年ワイナリー訪問時)
私どものイタリアワインのルーツとも言えるのがバローネ コルナッキアのモンテプルチアーノ ダブルッツォです。私どもが初めてバローネ コルナッキア家のワインを扱い出したのは1991年で、その頃日本市場にはモンテプルチャーノ ダブルッツォは皆無でした。そんな時代に、それまで経験したことの無い濃い色と、はちきれんばかりの果実味、そして、とてもソフトな口当たりで脚光を浴び、日本でのモンテプルチャーノ ダブルッツォの人気に火を付けました。25年余経った今でこそ多くの生産者のモンテプルチャーノ ダブルッツォが輸入され、イタリアンレストランのワインメニュに無くてはならないものとなっています。バローネ コルナッキア家が、この地方のワインが日本で普及するためのリーダー的存在であったと言っても過言ではないと思います。そのワインは、ほとんどのワインガイドブックにおいて、このエリアの優良生産者の筆頭にあげられています。
<ゴフレード アゴスティーニ>(2018年ワイナリー訪問時)
2012年からエノロゴのゴフレード アゴスティーニが参加しました。ピエロからカテリーナとフィリッポの姉弟へと世代交代が行われ、彼らはアゴスティーニからコンサルタントを得て、ワイン造りに改革を行いました。主な変更点は、①マセラシオンの期間を長くした。また、デレスタージュを行うようになり、タンニンがエレガントでなめらかになった。②水平回転式発酵を導入、上位キュヴェに使用。それにより、酸化させずに成分を抽出出来るようになった。③アゴスティーニのアドバイスの下、全ての工程で厳しい手順を決めた。タンクや樽からの分析をより多く行い、それぞれに合ったブレンドをする。④新しいフィルターシステムやボトリングラインを導入しました。その結果、伝統的なコルナッキアのアイデンティティは守りつつ、高いエレガンスを追求することが出来るようになりました。