伝統的な考えが根強い産地で、アパッシメントを取り入れて成功
個性の豊かさとコストパフォーマンスの高さが魅力
国 | イタリア |
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地域 | ピエモンテ |
歴史 | 1820年 サロット家がバルバレスコ村から、現在の本拠地ネヴィーリエに移り住む。 1871年 葡萄栽培を始める。当初はドルチェットの生産を専門に行う。 1950年 ロベルトの父アンジェロが葡萄栽培を続け、新たな品種を植樹。 1991年 自家栽培の葡萄は全て元詰めするようになる。バローロに15haの畑を購入。 栽培品種、ワインの種類を増やす。 |
オーナー | ロベルト サロット |
葡萄園 | 約95ha ピエモンテの5つのD.O.C.G. エリア ネッビオーロやバルベーラといった土着品種に加え、カベルネ ソーヴィニヨンなど国際品種も栽培。 |
栽培 | 病害に対し出来るだけ化学的ものは使わない。 全ての土地を畑にするのではなく、動物の住み処を残す。 コンポストは自然な牛糞を使用。 |
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大規模なワイナリーでの経験が今に生きる
現在のオーナー、ロベルト サロットがワイン造りを引き継ぐことを決心したのは、彼が15歳のときでした。当時、地元では国際市場に進出することなく、地元消費向けに注力するワイナリーが多い中、ロベルトは地元だけでなく国際市場にも目を向けたワイン造りをするという思いを持っていました。1800年代より葡萄栽培を続けている家系でしたが、実家のワイナリーはとても小さく、国際市場に進出できるような力は持っていなかったこともあり、ロベルトは醸造学校卒業後、大規模なワイナリーやガヴィの生産者組合で働き、経験を積みました。そうした経験が糧となり、自身のワイナリーで独自のワイン造りを確立、質の高いワイン造りを行っています。2020年の来日セミナーでも「大規模なワイナリーや生産者組合では、葡萄栽培やワインの醸造、樽での熟成方法など、様々なことを学びました。この経験を経て、私自身成長することができ、そして現在に至るまでの哲学を生み出すことができました」とロベルトは語っています。
長年かけて到達したロベルト サロット独自のワイン造り
そのひとつが、アパッシメントによる製法でした
ワイン造りにおいて、ロベルトが念頭に置いているのが味わいのバランスです。彼は、常に誰にとっても好ましい味わいであることが大切だと考えています。こうした味わいを造り出すために、伝統をとても大切にしていますが、同時に新しい要素が必要だと彼は考えました。そこで彼は、誰よりも早く、バローロやバルバレスコにアパッシメントの考えを持ち込みました。軽くアパッシメントをすることで、粗く強いネッビオーロのタンニンは、丸く柔らかな味を帯び、すぐに飲んでも美味しく、長期熟成もできるバローロやバルバレスコとなりました。そうして、ロベルト サロット独自のスタイルを確立しました。
2020年の来日セミナーでも「ワイン造りには想像力が重要です。これが無ければ何も生み出すことができません。時には、主流に逆らって前に進むことも必要です。ここに辿り着くまでには長い年月がかかりました。そして、勇気をもって立ち向かう必要がありました」とロベルトは語っています。
一軒のワイナリーで主要なピエモンテのワインを造れる存在
高品質で様々な銘柄のワインを、手に取り易い価格で提供する数少ない個人生産者
醸造学校に通い始めた頃から、ロベルトは国際市場に進出するという野望を持っており、そのためには、小さなワイナリーでも幅広いタイプのワインを造るべきだと考えていました。卒業後に働いた大規模ワイナリーや生産者組合では、どの畑やどの農家の葡萄が良いかといった知識を得ることが出来ました。そして、実家のワイナリーを引き継ぐと、良い畑を少しずつ買い足してきました。現在、サロット家は8つの村に約95haの畑を管理しています。そして、そのほとんどがD.O.C.G.やD.O.C.エリアにあります。
このように自らが描いていたビジョンを長年かけて実現し、現在では個人生産者でありながら、多くの銘柄のワインを造れるまでに成長し、国際市場でも認められるようになりました。「バローロ、バルバレスコ、ガヴィ、モスカート ダスティといったピエモンテの主要な銘柄を網羅し、さらには手に取り易い価格で提供している数少ない個人生産者』と言え、これこそがロベルト サロットの最大の強みです。
「ルカ マローニ」を筆頭に、国内外で高い評価を得ています
こうした努力の結果、近年ではロベルト サロットのワインはイタリア国内外で高く評価されるようになりました。例えば、イギリスのワイン専門誌「デカンター ワールドワイン アワード 2018」では、“バルバレスコ リゼルヴァ2013”が、『Best in Show』に選ばれました(受賞は16,903アイテムのうち50アイテム、全体の僅か0.3%)。ロベルト サロットが長年かけて品質にこだわり貫いたワイン造りが国際的にも評価された証です。
また、イタリアワインの評価本「ルカ マローニ ベストワイン年鑑2022」で、ロベルト サロットが造るワイン、“バルバレスコ ガイア プリンチペ 2018”、“バルベーラ ダルバ エレーナ ラ ルーナ 2020”、“プーロ シャルドネ 2020”、“ランゲ ロッソ エンリコ プリモ 2020” が99点満点を獲得。異なる4つのキュヴェが最高得点を獲得していることも素晴らしく、これは彼のワインが高く評価されている証でもあります。
「かなり規模の大きなワイナリーで、これほどの規模の自社畑はピエモンテでは珍しいが、それでもロベルト・サロットは全体的に職人的特徴を保持していて、それは全てのワインに一貫している。ピエモンテの主な呼称産地に幅広くブドウ畑を所有しているので、様々な品種を旅するように試飲することができる。ワインのスタイルは濃厚で、断固としたものが多い。全てのワインが非常にコストパフォーマンスの高いものであることは特記に値する」
― ガンベロ ロッソ イタリアワインガイド2018」より ―
代々受け継がれてきた畑を、後世に受け継ぐのも私の使命です
ロベルトは、葡萄畑は自分や家族が生活する場所であり、自分たちが健康的であるためにも、葡萄畑や周囲の環境を守らなければならないと考えています。病害に対しできる限り化学的なものは使用しないことや、すべての土地を畑にするのではなく、動物たちの棲み処をそのまま残すなど、周辺の環境にも配慮しながら、ワイン造りを行っています。こうすることで健全な葡萄が育つだけでなく、葡萄樹の樹齢が高くなっても健康を保ち、高品質なワインを生み出します。「葡萄畑は家族代々受け継がれてきたものです。後世にも続くものを守るということが私の使命です」とロベルトが語っています。
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※価格・ヴィンテージ・在庫は2020年2月時点のものです。