ロベルト サロット 来日セミナー④

ロベルト サロット 来日セミナー④

 

ペツォーレ ロッソ (商品CD:I-744)
ここからはネッビオーロのテイスティングに移ります。バルベーラと比較すると、その色合いが全く異なることが分かると思います。ネッビオーロは、私たちのエリアから北、または南へ行ってしまうと栽培が難しくなる品種です。ペツォーレは、バローロを生産できるエリアの葡萄を使用した特別なワインです。コンセプトは「自由な発想」で、DOCやDOCGのワインのように法律に縛られることなく造りました。バリックと大樽を50%ずつ使用し、24カ月間熟成させています。法律に縛られないため、熟成期間もワインの状態を見て自由に設定することができます。このワインの生産量はそれほど多くありません。そのため、世界でも日本市場限定で販売している貴重なワインです。
バルベーラと比較すると鮮やかなガーネット色で、これはまさにネッビオーロの色合いです。かすかにバニラやなめし皮、ロースト香、たばこのニュアンスを感じることができます。また、複雑性のある第3の香り(熟成香)があり、ネッビオーロらしい香りが楽しめます。口中ではまずタンニンの柔らかさが感じられます。飲んだ時に、バランスが優れていることが分かると思います。この品種らしいドライなニュアンスも感じることができます。

 

 

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バルバレスコ ガイア プリンチペ (商品CD:I-571)
ガイア プリンチペは、単一のクリュとして知られる素晴らしい畑です。このワインは、軽いアパッシメントを行うことで成熟感を高めた葡萄から造られます。歴史ある優れた畑と、近代的な醸造法によって生み出されるワインということができます。ただし、このワインも生産量は多くありません。ガイア プリンチペの畑はそれほど大きくなく、またアパッシメントをすることで果汁の量が少なくなるためです。

実際にテイスティングしていただくと、タンニンの柔らかさが分かっていただけると思います。香りには様々なニュアンスがあり、先ほどのペツォーレとの違いがはっきりと感じられます。陰干しをすることによって、色味もやや濃くなっています。フルーツの香りですが、より成熟したドライフルーツのようなアロマです。

このワインが、多くの方に「サロットスタイル」と言われているものです。私はよく、モダンなスタイルの生産者であり、誰よりも近代的なワインを造る人だと言われます。このワインは、抜栓してからすぐに楽しめますし、20年くらいは熟成させることもできます。

 

 

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バルバレスコ リゼルヴァ 2001 (商品CD:I-841)
こちらのワインは、私の父が造りたかったワインです。30年ほど前、父が良い年のバルバレスコを一部だけとっておき、素晴らしい状態になってからリリースしようと考えたのがきっかけです。このワインは、その時代を切り取る「写真のようなワイン」で、当時のことを思い出させてくれます。ラベルは昔使っていたものを復刻したものです。私の妻であるアウロラに捧げる意味を込めて、「ヴィッラ アウロラ」の文字を入れています。ワインは芸術であり、ワインメーカーである私も芸術家だというお話をしましたが、芸術家自身も時代によって変化していくものです。このワインは、私たちのワイナリーであるロベルト サロットの若い時代の作品だということができます。

 

 

ロベルト サロット 来日セミナー④

 

今のロベルト サロットのスタイルとは異なり、まだアパッシメントも行っていません。少し柔らかさに欠けると思われるかもしれませんが、当時はこれが最高のバランスだったと思います。
ワインは、バルバレスコ リゼルヴァに必要な期間の樽熟成を経た後、大きなステンレスタンクで保管されていました。そのため、瓶の中で保存しているのと同じように、ワイン自体がゆっくりと熟成することで良い状態をキープしています。若々しさや、ネッビオーロらしい厳格なニュアンスがあり、熟成による複雑な要素が現れています。タンニンもまだ感じ取れると思います。柔らかくハーモニーがあり、食べ物が欲しくなる味わいです。

 

 

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『ルカ マローニ』で3つのワインが3年連続で満点(99点)を獲得
最後に、数日前に入ってきたニュースをお伝えしたいと思います。イタリアのワインガイドである『ルカ マローニ』の2018年、2019年、2020年版で、3つのワインが99点満点を獲得しました。この評価を獲得したのは、アメリカンオークの新樽で熟成させた「プーロ シャルドネ」、今お試しいただいた「エレーナ バルベーラ ダルバ ラ ルーナ」、カベルネ ソーヴィニヨンとネッビオーロをブレンドしたモダンなワインで、息子エンリコの名前をつけた「ランゲ ロッソ エンリコ プリモ」です。これはイタリアの全ての生産者の中でも唯一といえると思います。

Grazie Mille! ご清聴ありがとうございました。

ロベルト サロット

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