ワインがまだ日本にそれほど普及していなかった昭和50年代。ドイツワインのおいしさに魅せられ、また酒類業界の中での将来性を感じてワインの輸入に着手。当時の日本市場にはない稲葉独自のワインを探し求めてドイツへ渡りました。そして品質の高いワインを造り続けることに情熱を注ぐ1人の生産者とめぐり会い、直輸入を開始。それ以来、ワインへの熱い思いが人と人をつなぎ、今ではイタリア・フランス・ドイツなどヨーロッパを中心に、1,000種類を超えるワインを輸入しています。
いずれのワインも、生産者と共に畑を歩き、醸造蔵を見て、プロセスを聞き、数多くのテイスティングを経て、「よい生産者が造るワイン」と確信を得たものばかり。知られざる逸品を日本に紹介することが稲葉の使命であり、多くの方に本当の価値を知っていただき、ワインを楽しんでいただくことに喜びがあります。
長い年月を経て生産者との間に強い絆ができた現在もなお、毎年、ヨーロッパの醸造元を訪問。自分たちの足と舌で品質を見守り続けています。
「皆がやらないほんの少しの努力が、ワインの品質を大きく変える」と、ぶどうの1粒1粒を丁寧に厳選する生産者。「私のワインを誰がどのように売るかは重大なことだ」と熱っぽく語った言葉に裏付けられるように、稲葉が輸入するワインの1本1本には、あくまで品質にこだわり続ける生産者の情熱があふれています。こうした生産者の気持ちや苦労を知った上で、ワイン造りの物語を伝えていくことも、稲葉の重要な仕事のひとつです。
なによりも品質の高さを重んじる稲葉では、サンプルワインを年間1,000種近く集めます。そのため、社内での試飲会は年中行われ、時には1週間以上毎日続くことも。試飲会では毎回10~15種のサンプルを厳しくチェックしています。
確かな品質の上に、稲葉が選ぶワインのポイントとなるのは、輸入した場合の想定価格を出し、それが日本市場で人気を得られるかどうか、その味が日本人に広く受け入れられるかどうかです。人によって好みが分かれるワインを輸入するにあたり、バラエティに富む味わいのワインを取り揃えるためにも、専門的な意見のみならず、一般消費者に近い感覚の意見も大切にしています。
最近では、ワインに舌が慣れている人も増えてきました。また、ワインに関する知識の有無に関わらず、よいワインの味は誰もがわかります。稲葉は多くの人に満足度の高いワインを少しでもリーズナブルな価格でお届けできるよう、ワイン選びにさらなる努力を続けています。